平成244月から、ブログ「日本と台湾を考える集い」は新しいホームページhttp://tsudoi-jptw.jimdo.com/に移行しています。「集い」を含む関西の台湾関係行事等の情報は公式サイトをご覧下さい。


2011/10/15

第20回の報告

1015日、難波市民学習センターにて開催しました。
今回も新たな参加者をお迎えし、会場が一杯になりました。ありがとうございました。


会場の様子
お話される濱野さん

今回の集いでは《駐在員が見た台湾の今》~外からでは判らない台湾人の素顔~と題し、濱野宏明さんにお話願いました。氏は電子機器メーカーの日系台湾法人総経理として、約20人の従業員を雇用し、業務にあたってこられた経験をお持ちです。

今回の集いに先立ち、以下のメッセージをお寄せくださいました。

 台湾人と日本人との違いについて話をしてみたいと思っています。台湾に関心のある日本人の方は”歴史的・政治的な価値観”に基づいてのみ台湾を見ている方や、”親日・癒し”という表層的な台湾を好きな方が多いと思っています。そのどちらも正しいのでしょうが、日常の台湾人の人たちとホントに触れ合って見ると違う部分もあるのではないかと思っています。そのヒント(気づき)になるようなお話ができればと思っています。

台湾人の方とディスカッションできるのであれば、もっと良いと思います。外国人が台湾で肌に感じている”台湾人”に対して、台湾人自身がどう思っているのかを討論すれば面白い展開になるのではないかと思います。

 以下は、お話の要約です。(文責 事務局)

・ 地震直後、誰からも出身地を尋ねられ、大阪だと答えると、良かったねとの反応。親身になってくれた。懐が広い。
04年に初渡台した際、総統選最終日に銃撃事件が起きビックリし、エライとこに来たと思った。
・ (南部は違うだろうが)台北では35歳以下のスタッフは台湾語を話さない。
□コミュニケーション
・ 社会制度などを変える際、日本では合意形成に時間をかけるので、なかなか変化しないが、台湾では速い。
・ 会社運営でもボトムアップ(サービスと労働の均質)とトップダウン(リーダーシップ)の違いがあるので、責任者同士の商談が多い。
・ 会社幹部と社員の関係は日本では同じフロアで仕事をして、コミュニケーションを図るが、台湾では個室に入るのが普通。また、社員同士でもパーティーションで区切っている。
・ 雇用されるより、社長になりたくなることにもつながっている。4050代の人が企業に残っていると、その下の世代で優秀な人は起業してしまいます。起業にはとりあえず飲食店~ただ、すぐ潰れる。しかし、立ち直りが早い。
□男女関係
・ 女性の進出が進んでいるのは、兵役のある男性が社会に出る時期が遅いことも原因。一方、転職する傾向は男性のほうが高い。
・ 若い男女の合コンは山に行ったりする。あまり酒を飲んで盛り上がったりしない。帰りは集められたバイクのキーの山から女性が選択し、二人乗りで。気に入らなかったら途中で降りたり、降ろしたりする。
・ 七夕の情人節には男性は女性のプライドをくすぐるために(自宅ではなく)職場に花束が届ける。一方、女性は意中の男性からプロポーズさせるように仕向ける。
□家族関係
・ 家族関係はかつての日本のように大きな単位。ホームレスを見かけないのは家族で助け合っている。ただ、昨年夏にビックイシューの台湾版が創刊された。
□アジアの中の台湾
・ 国としては、アジアの中の台湾を強く意識している。日本の約40%の法人税に対して17%台→日本企業の海外流出につながっている。ECFAは一定成功している。
・ 日本感 日本語世代はご存知とは思うが、学校教育と親の教育の矛盾にさらされた戒厳世代(日本では団塊世代に相当)の思いは複雑で、あまり本音を言わない。民主化(90年代)以降の世代は日本語を学び、祖父母世代とのコミュニケーションをとる。
・ 大陸(中国)感 従来世代(民主化以前)は意識しているが、若年世代は「関係ない」という感じ。
・ 韓国感 従来世代はライバル意識があり、あまり好きではない。TV番組が増えており、若年世代は(かつての日本に対するように)カッコいい。

1
時間20分のお話を受けて、会場の台湾人女性(社会人、留学生)お2人に感想をお聞きしました。
震災支援について
S
さん 人が困っている時、助けるのは当たり前。支援を評価して欲しいとは思わない。
T
さん 私の友人は日本政府の対応には腹が立つと言っている。ただ、私はこれをきっかけに日本人が台湾について関心を持ってくれたら良いと思います。
その他、濱野さんのコメントについて、40分程度意見交換しました。

引き続き、9月に事務局メンバー3人がそれぞれ訪台したことを報告しました。


① ふぉるもさライダー氏の内容は以下の通り。
早朝の旧花蓮港神社でのラジオ体操の映像と、山あいの県道193号線をバイクで走った映像を紹介した。
また、平野久美子氏の紹介で面会できた羅東在住の日本語世代・李英茂氏の言葉を次のように紹介した。
「台湾に来て『昔、日本が悪いことをして申し訳なかった』と謝る日本人は、日台の歴史を知らない人だ。日本は台湾に良いことをたくさんしたが、とりわけ知識を与えてくれたことを感謝している。私が日本人に親切にするのは、西郷菊次郎や八田與一など、かつての日本人の「遺徳」に報いたいからだ。皆さんには、日台の歴史と絆を正しく理解してほしい。」
さらに、瑞穂温泉に行く途中の村で食堂の主人に道を尋ねたところ、会話ができないばかりに店のクルマで10kmも先導して走ってくれたエピソードを紹介し、台湾人の優しさに心底感動したこと、中国語・台湾語を学ぶ必要性を痛感したとの経験談を述べた。
② 「100100旅」メンバーの朝河さんは三峡近くの「猫カフェ」紹介
③ ブログ管理人は澎湖→廣枝音右衛門慰霊祭→青田七六→映画「セデック・バレ」→金美齢事務所企画「ありがとう台湾オリジナルTシャツ」着用表敬訪問などを文書で紹介。

【寄せられた感想】
■今まで、なんとなく疑問に思っていたことが解消されました。非常に良かったです。台湾人女性のコメンテーターもよかったです。非常に知的な方と思いました。台湾語を学びたいと思いました。(和歌山・男性)
■ネットで拝見し、初めて参加しました。東日本震災に対する台湾からの突出した義捐金について、大方の日本人が知らないのは、
1)日本政府の北京に対するオモネリと腰の引けた外交
2)報道使命を忘れた日本のマスゴミ本来のだらしなさ、程度の低さの2点に尽きます。
我々日本人は民度の高い台湾の人びとの厚意を一人でも多く知らせしめ、広くPRすべきと思います。(兵庫県・男性)

1 件のコメント:

トニー さんのコメント...

ビジネスの最前線で、台湾にいらっしゃった方のリアルなお話で、非常に興味深いものがありました!