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2008/10/18

台湾の映画「海角七號」現象について


 8/22公開された映画「海角七號」は台湾社会に極めて大きな影響を及ぼしている。 最近の台湾人のあいさつは「海角7號観た?」とのことらしい。画像は10/15付け自由時報の紙面から。
 今年幕張で開催された第4回アジア海洋映画祭イン幕張にてグランプリを獲得した作品。
公式ホームページはhttp://cape7.pixnet.net/blog
内容は現代に生きる日本人女性と台湾人男性のラブストーリーと、敗戦時に台湾人女性を残して引き揚げた日本人男性の7通の手紙が死後60数年ぶりに渡される顛末などを交錯したいわば青春グラフティー。
予告編はyou tube に公開されている。
http://jp.youtube.com/watch?v=hs2wKY5wl6E&eurl=http://mixi.jp/view_diary.pl?id=965516332&owner_id=8607686
 冒頭のシーンは、1945年末(たぶん)基隆港から日本に帰る船上の教師(中孝介、現実の中孝介と二役)を見送る台湾人友子の姿から始まる。 この時、日本語のナレーションで1通目の手紙が読み上げられる。
 この後、物語の進展と共に、残りの6通の手紙が同様に日本語で読み上げられる。
 一世紀にわたる日台の「きずな」を背景に、あらゆる世代が観にいくことを通じ、興行成績は約4億台湾元(約12億円)を突破、5億元に近づいており、台湾映画史上の売り上げ記録を塗り替えているとされる。
 いまや、「海角七號を観た?」ではなく、「何回観た?」というのが、あいさつになっているそうである。
 私は10/9午前西門町のシネマ7で観た。9時にはすでに50人ほどの行列が並んでいた。
ここでは、20分おきに一日の上映回数はなんと21回。 台湾映画であり日本語字幕はついていないけど、中文と英語の字幕があるので、中心的に話される台湾(ホーロー)語はほとんど理解できないが、笑あり涙ありの内容の多くは理解することができた。
台湾中の映画館がこんな状況だそうである。
 ちなみに、私は10/10-14の第10回李登輝学校に参加するため台北にいたので、他の参加者に観るよう勧めたのだが、自由時間の晩の上映はチケットが入手できなかったという。
 なお、この映画には台湾と日本の存在はあるものの、中国は最後に船が離岸する際に、青天白日旗が波止場に掲げられているのみであり、現在の恒春の町にも中国(中華民国)の影は全く出てこない。 映画最後に出てくる中国旗は日本が去った後の暗黒時代を予感しているようである。

 ところで、現地のマスコミには「馬政権への反発が日台の絆を表す映画に民意を発散している」との報道もあるようだ。
 4億元とは入場料200元として200万人が観たことになる。2300万人の台湾でこの数字は驚異的であり、まだまだ記録は更新されるという。「香港、シンガポール、韓国がすでに配給権を獲得」との情報はあるものの日本ではまだ未定。 ぜひ、日本でも上映してほしいものだ。(事務局K)

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