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2011/09/27

賽德克巴菜を観てきました

926日、欣欣秀泰影城での22時からの「セデック・バレ」を観て来ました。終了時には27日になってしまいました。
このブログを観る人にはお分かりでしょうが、題材は昭和5年に起きた霧社事件。同年に烏山頭ダムが完成しています。
映画で話される言葉のほとんどはセデック語と日本語。中文字幕が判らない部分もありましたが、今回、鄧相揚さんの著作等を改めて読み直したことと、役者の表情が上手く、何とか理解できました。また、史実を忠実に表現しているなぁと違和感を感じることはありませんでした。
評者によっては、殺戮場面が多いことに異論がありますが、私はこうした事実にきちんと向き合うことが大事だと思いました。
そこで、見ながら感じたこと。
第一にこの映画は反日映画では全くない。もちろん、親日でもありません。台湾人が自らの視点で歴史を描写しているということです。
民族が異民族を統治することの不条理さを改めて認識することができます。これは日本人だけでなく欧米人の歴史や中国の現在にも当てはまることです。
一方で、民族の自尊をかけたセデック族の蜂起はあかたも、ハルノートに抗った日本およびその後を想起させます
第ニに台湾人(ここでは、ホーロー・客家)がほとんど出てこない。
現在の台湾人には、台湾ではかつて民族の尊厳をかけて立ち上がった民族がいたということを知ることになる。したがって、ホーローであろうと、客家であろうとはたまた外省人であろうと自らのアイデンティを考えることにつながります。
総統選挙を前に公開された意味は大きいと思います
第三に、日本人はもちろん見るべきですが、予め日台の100年の歴史を学ばないと理解不能かと思います。ぜひ、日本でも上映してほしいものです。
第一部は霧社事件の発端の殺戮場面(ビビアン・スー演じるオビン・タダオが出演)で終了しました。
第二部の展開は第二霧社事件を含めた日本の反撃が描かれるでしょう。高砂義勇隊への流れはどうなのでしょうか。11月の訪台で引き続き観ようと思います

なお、魏德聖監督の次回作品は嘉義農林の甲子園出場に向けた作品だとのこと。大いに期待したいものです。高校野球ファンには見のがせません。それにしても、台湾の映画館の椅子はゆったりとしていいですね。

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